ソン・コル再び

 先月訪れたソン・コルにまた行ってきた。先月行ったときには天候が今ひとつだったので,また行こうとずっと思っていた。去年行ったのとあわせると通算で3回目。こんなに何度もソン・コルに行く人間も珍しいようで,宿泊の予約を入れに行ったとき,これで3回目だと言うと相手のスタッフに可笑しがられてしまった。でも僕にとってはそれほど大切な場所なのだ。
 そうして行ってみたソン・コルはどうだったかというと,これ以上はないというほどの抜群の天候に恵まれ,これまでで最も美しい表情を見せてくれたのだった。

 ソン・コルについてはこのブログでも既に書いているのでもう繰り返さない。相変わらずの青と緑が美しい。
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 ここでは馬の乳搾りを見ることができる。馬は人になかなか乳を搾らせないと聞いたことがある。そうでなくても,これはなかなか珍しい光景だろう。馬乳を発酵させて作るクムズ(馬乳酒)はキルギスの国民的な飲み物だ。夏場は国中どこでも売っている。かなり酸味の強いヨーグルトのような味で,微妙な炭酸を舌に感じる。
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 前回と異なることといえば,雲が全くなかったために素晴らしい夜空が楽しめたことだ。こぼれそうなほどたくさんの星の中,南から北へ巨大な天の河が天空を貫き通す。その天の河を背景に,5分に1個くらい流れ星が流れる。
 この星空を期待して,今回わざわざ新月の日を選んでソン・コルに行ったのだけれど,その狙いは完璧に当たった。月がないので空が暗くて星が良く見える。季節的にも,ソン・コルの短い夏の真っ只中だったこともあり,夜は以前ほど寒くなかった。おかげで30分以上ずっと外に出て星空を楽しむことができた。

 想像以上に頻繁に流れる流れ星を見ていると,宇宙が自分の意識を超えたスケールでダイナミックに動いているということを感じずにはいられなかった。その巨大な宇宙の中には銀河系という一つのありふれた銀河があり,その銀河系を構成する無数の星の中に太陽があり,太陽系の数ある惑星の中に地球があり,地球上の数知れない生物の中に人間という一つの種があり,60億という膨大な数の人間の中に一人の自分がいる…


 星空に思いを馳せながら眠りについた翌朝,夜明け前に起き出した。広く冷たく静まり返った空気の中,一人で眺め渡す風景もまた美しい。
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 朝と共に美しい表情を見せてくれるのが,日が沈む前の1時間ほどの時間だ。影が長くなるにつれて光の色合いも変化し,静かに,かつ壮大に,その印象を変化させる。
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 今回は,泊まっているユルタからかなり遠出してみた。今まで気付かなかったところに美しい風景があったりして,何度行っても新しい発見がある。訪れるたびにますますソン・コルに惹かれていく自分がいる。
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 ソン・コル周辺の草原は相変わらず鮮やかな緑色に輝いていたけれど,1ヶ月前に比べると少し秋の色を帯びつつあるようだった。もうすぐソン・コルの短い夏が終わろうとしている。
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 ソン・コルのあとは,もう少しキルギスの奥の地域まで行こうと思っていたけれど,余りにも美しすぎるソン・コルに満足してしまい,先へ進もうという気持ちを失ってしまった。ソン・コルの夏とともに,僕のキルギスの旅も終わろうとしているのをふと感じた。

 ビシュケクに戻ってくると,ここでも朝晩の気温が目に見えて下がってきた。どうやらキルギス全体が秋を迎えようとしているらしい。キルギスは夏が旅行シーズンなのだけれど,その夏が終わると今度は隣国ウズベキスタンが旅の季節を迎える。

 ビザが取れたら,次はウズベクだ。
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by Asirope2 | 2007-08-17 17:36 | キルギス
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